長い目で見たら良くないこととわかっているのに、どうしてもやめられないことというのがあると思います。
夜更かし、タバコ、ギャンブルなどがその最たるものでしょう。本人も、本当はやめたいと思っている、
にもかかわらず、どうしても抜け出すことができない。このような場合、どうすればいいのでしょうか。
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自己嫌悪から現実逃避、そして「やめられない」へ
私達は、どうして長期的に見てデメリットの大きいことをやめることができないのしょうか。
それは、今目の前にある現実を受け取りたくないからです。
私達は、強いストレスに晒されると、とにかくその状況を回避したいという衝動を抑えることができず、発想が近視眼的になります。
例えば、人がギャンブルに手を出すのは、お金がなくて、お金に飢えているからです。客観的に見て、持っているお金が多いか少ないかは関係ありません。
ただ本人は、「お金が不足している」と感じて、現状を不快に感じているのです。このような人は、大金を手にする空想に浸るために、お金を費やすことになります。
後になって後悔するだろうということがわかっていてもです。一時的な現実逃避への欲求はとても強力です。
では、一攫千金のギャンブルで、運よくうまく稼げれば満足するかというと、そうではありません。一度成功したときの快感が忘れられず、さらにのめり込んでいくようになります。
現実を認めたくないという気持ちは、現実が変わってもなくなりません。
本当は、「今の現実があるから現実を認めたくない」のではなく、「現実を認めたくないという気持ちが先にあるから、現実が認めたくないものに見える」というのが真相なのです。
そしてそのような思考の背後にあるのが、「もっと優れていなければ自分には価値がない」という認識です。
「もっと」というのは実際のところ、「今の自分と比べて」ということではなく、「現実の自分がどんな状態であれ、常にそれ以上に」ということです。
満足するということがありません。現実の自分は本人の中で、場合によっては消してしまいたい存在ですらあります。
何を拒絶しているのか突き詰めて考える
では、やめたいと思っていることから抜け出すには、どうしたらいいのでしょうか。
重要なことは、自分が目の前にある現実を受け取りたくないのは、今の自分の何を拒絶しているからなのか、突き詰めて考えることです。
例えばギャンブルをやめられないという場合、大金を手にすることによって、自分の有能さを証明したいのかもしれません。つまり、心の底で自分の無能さが許せないということです。
このようなことを徹底的に考えていくと、自分がしがみついている自分の理想化されたイメージと、心の底にある自己嫌悪の正体を掴むことができます。
それを冷静に眺めることができるようになると、次第に自分がのめり込んでいたことが馬鹿らしく思えてきます。自然と、現実的な対処を覚えるようになります。
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