他人と関わるのが嫌で、自分の殻に閉じこもってしまうということはありませんか。
一般的に多くの人は、「自分の殻にこもるのは良くないことで、ちゃんと周りの人と積極的に関わりながら生きていかなければいけない」と考えます。
そのため、人と関わることが苦手な人は劣等感を抱き、「閉じこもっていてはいけない」と焦りながらも動くことができず、苦しんでしまいます。
また、周りの人も、殻にこもっている人に対して過干渉になり、半ば強引に関わろうとして関係性を悪化させてしまうことがあります。
しかし本当は、何も心配する必要はないのです。
長い人生の中の一定の時期には、「自分の殻に閉じこもる」ことも、必要なことなのです。
コミュニケーションがもたらす無個性化
私達は他人とコミュケーションを取ることを、無条件に良いことと考える傾向にありますが、本当にそうでしょうか。
他人と関わっているとき、私達の意識は常に外を向いていて、無意識のうちに相手から影響を受けています。
自分が関わった人達の振る舞いや考え方は、知らないうちに私達のあり方を決めているのです。
自然と周りの人達の常識に従って自分も判断し、行動するようになります。
つまり、多くの他人と関われば関わるほど、自分独自の考え方や個性が侵食されていくのです。
周りの人達の常識に適応していくことは、集団の中で生きていく上では必要なことかもしれません。しかし、その対価として、私達の固有性は希薄化していくことになります。
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誰とも関わらない時間は、個性を成熟させるための時間
以上を踏まえると、殻にこもって一人になる時間の必要性が理解できるのではないでしょうか。
誰とも関わらない時間というのは、個性を醸成するための時間なのです。
閉じた状態で考えたり感じたりしたことはいずれ、その人だけの大きな財産になります。
確かに、他人と関わることへの不安、つまり対人恐怖については、最終的には他人と関係することによって打ち破るよりほかないのも事実です。
「周りの人がみな敵にしか思えない」という感覚は、実際に他人と関わっていく中で、誤解であることに気づくしかありません。
しかし、恐怖を乗り越えるだけのエネルギーが湧いてこないのであれば、今はまだその時期ではないということです。現状を変えることに固執するよりも、「今はじっくり自分の個性を成熟させる時間なんだ」と考える方が有益です。
将来的に「あの内省的な時間があったから今の自分がある」と、自分を誇らしく思える日が訪れます。
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