私達は、常に良い気分でいられるわけではありません。
これは受け入れがたいことですが、厳然たる事実です。
知識を得たり、新しい考え方を身につけることで、自分を変えることができれば、
- 頭に浮かんだことはすぐに実行に移して、
- いつもエネルギッシュに行動して、
- どんどん目標を達成できるようになり、
- すべてが自分の思い通りになって、
- 常に良い気分でいられるようになる
と考えがちです。
しかし、現実はそうはいきません。
思っていたとおりに行動できなかったり、イライラしたり、弱気になったりすることは、避けられないことなのです。それは誰もが経験する、ごく自然なことです。
嫌な思いをすることに抵抗するから、不快な気分になる
私達の苦しみは、この現実を受け入れられないことから生まれます。
常に最高の気分でいられることを基準にしているから、少しでも嫌なことがあると、その原因を作った人のことも、自分自身のことも許せないのです。
私達は、嫌な思いをすることに強く抵抗します。
しかし抵抗すればするほど、嫌な思いをすることがますます憂鬱になります。
皮肉なことに、最高の状態に執着することが、心の苦しみを増幅するのです。
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不快な感情は「避ける」よりも「慣れる」
逆説的ですが、気分よく生きられるようになるのに一番良い方法は、嫌な思いをすることに慣れてしまうことです。
小さなものも含めれば、怒りを感じること、恥ずかしいこと、不快に感じることは、毎日無数に存在すると思いますが、
それが原因で、実際に自分の人生に大きな影響があるということは、めったにないはずです。
つまり嫌な気分になるようなことがあったとしても、後で振り返れば、ほとんとのことは、結局取るに足らないことなのです。
それを理解したうえで、イライラしたり、不安を感じたりしたときは、自分が「イライラしている」、「不安になっている」と、自分の感情、感覚を意識することです。
不快な感情は無意識に拒絶してしまうものですが、これをしっかり感じ取ることが重要です。
最初は「不快な感情を感じるのを避けようとしているな」と意識できるだけでも十分です。
そのうち嫌な気持ちになることに慣れてきます。
もちろん、不快な感情を味わいたくないということに変わりはありませんが、嫌な感情をいつまでも引きずることがなくなります。
「少しだけ嫌な思いをすれば、すぐに終わる」と思えてきて、くよくよ悩まなくなります。
現実そのものは、思ったほど大きくは変わらないかもしれません。
しかし、悩みの種は無くならなくても、それに対して感じる苦痛が小さくなります。
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